清貧の思想/中野幸次
今日紹介するのはこちらの本です。
バブル崩壊後の1992年に書き下ろされた本で、私はブックオフで108円で買いました。
かなり前に刊行された本ながら、内容は現在でも十分読めるものです。
内容としては、物欲を無くし、心を豊かにすることを実践した古人の思想を紹介するようなものになっています。
まずは、以下の文をお読みください。
所有が多ければ多いほど人は心の自由を失うのである。(略)大邸宅を営めば、その維持管理に大勢の人を使い、維持するだけで終日心を労さねばならなくなる。(略)そもそもがそういう大邸宅の暮らしを維持するには莫大な経費がかかり、それをつくりだすためにもますます財を稼ぎだすための働きをしなければなるまい。まことに愚かなことである。人は所有が多ければ多いほど所有物に心を奪われて、心は者の奴隷となってしまう。
また、著者は出家した鴨長明について以下のように紹介しています。
これを現代のこととして言えば、会社人間としてひたすら会社のために働きつくして来た人が、社内の人事や組織と衝突して、そのままならぬことに絶望し、会社勤めのごときことに望みをかけることなく、一念発起してどこか過疎村の廃屋にでも住み、だれにも拘束されぬ自給自足の百姓生活を始めるようなものだろうか。
思想自体は現代でも通じるところがあるのではないでしょうか。
気になる方は是非お読みください。
次回もお楽しみに。