今日紹介するのはこちらの本です。
田中慎弥さんの芥川賞受賞作です。
十七歳の遠馬を主人公とした、川辺の田舎町を舞台に繰り広げられる物語です。
個人的には、舞台となる田舎町、そしてそこに住む登場人物の方言が独特な世界観を作り出している気がします。例えば以下のようなやり取り。
「あんたはあいつに似ちょるけ、吸わんのじゃね。酒はね?」
「なん言いよるん。息子に煙草と酒、勧める親が、どこにおるんか。」
「勧めんでも、どっちかか、両方か、そのうちやるようになるっちゃ。」
標準語で語られる都会を舞台にしたお洒落な物語に飽き飽きしている方には是非お勧めしたい一冊です。
次回もお楽しみに。