無宿人別帳/松本清張
今日はこちらの本を紹介します。
松本清張の、江戸時代における無宿人が主人公の小説です。
無宿人とは、現在でいうところの戸籍を持たない人のことを指します。
本文中に以下のような説明がありますので紹介します。
江戸の町内に住むには、地主、家主、五人組などの保証が必要であった。悪事をする者があると町内のこういう人たちは連帯責任でともに罰せられる仕組みになっていた。人別書き(戸籍)を持たないで故郷を出奔した無籍者は、このような制度のために、いかなる職業に就くことも困難であった。喰い詰めた彼らから犯罪者が多く出たのは当然である。無宿者は江戸制度の谷間であった。
小説としての位置づけとしては冒険ものと言ってもいいかもしれません。獄中から脱走して逃げ続けるような話がたくさんあります。
ちなみに、私はブックオフで108円で買いました。興味のある方は是非。
昭和史発掘5/松本清張
松本清張の「昭和史発掘5」です。
「昭和史発掘4」の最後の陸軍士官学校事件の流れを受けて、2.26事件に引継ぐような流れになっています。
なお、2.26事件は「昭和史発掘6」にも続きます。
以下、気になった事項を簡単に紹介します。
・陸軍では陸大卒とすぐにわかるような徽章を付けさせている。その徽章が天保銭型なので、俗に「天保銭組」といい、その徽章をもたない一般将校を「無天組」という。
・「天保銭組」は出世コースが約束されている。そして、(全てではないが)現場のことを尊重しない「天保銭組」に対し、「無天組」は強い反感を持っていた。
何となく、現代にも通じるところがあるかもしれませんね。
では、次回もお楽しみに。
アトモスフィア2/西島大介
前回に引き続き、今回はアトモスフィアの完結編を紹介します。
今回も内容の説明のため、帯の言葉を紹介します。
分身が殺され、死んだことになったわたしは”本人を守る会”に保護されて、いつのまにか支部長になっていた。
そんなわたしを試すかのように、世界は分身現象を加速させていったー
元・刑事との逃避行。
3人目の支部長。
分身の分身の分身。
「わたしは全てを赦している。」
加速する世界の中で、最後に行きついた結末は・・・
気になる方は読んでみてください。
では、次回もお楽しみに。
アトモスフィア1/西島大介
今日紹介するのはこちら、ハヤカワSFシリーズJコレクションの「アトモスフィア1」です。
西島大介の漫画ですが、大まかな内容の説明のため本の帯の言葉を紹介します。
ある日、わたしの分身が現れた。
わたしに何の断りもなく、世界はわたしの居場所を奪った。
それでもわたしが「ふざけんな」って言わないのは、
あらかじめ、みんなを赦しているからー
分身によって居場所を奪われた被害者達から構成される「守る会」の武蔵野支部。
分身による被害者が増えるにつれて、その規模も大きくなっていく。
しかし、支部長の狙いは・・・
ポップな絵ながら結構残虐な表現もあったりしますので好き嫌いは分かれるかもしれません。
次回はアトモスフィア2を紹介します。お楽しみに。
ストロボライト/青山景
今日紹介するのは青山景さんの漫画、ストロボライトです。
2009年に発売された本で、絵がとても好きです。なお、青山さんは残念ながら2011年に自ら命を絶たれています。
この作品は、主人公の浜崎の「現在」と「過去」で構成されます。
複雑で私も読み解けていない部分があるのですが、現在、小説家となっている主人公が過去の自身の物語を書くことにより、また、過去の自身の物語が存在することにより現在の自分が存在するという相互の世界を行き来するような感じになっています。
青山さんの他の漫画も読んだ事がありますが、浅野いにおさんと同じくらい好きな漫画家です。
興味のある方は是非。
次回もお楽しみに。
自分にふさわしい場所/谷郁雄・言葉 ホンマタカシ・写真
京都カフェ散歩/川口葉子
今日紹介するのはこちら、「京都カフェ散歩」です。
発売されたのは2009年ということで6年近く前の本になりますが、今でも読める一冊です。
内容は京都にある67のカフェを紹介した本で、私もこの本を片手にいくつかのカフェを巡りました。
文庫本サイズでコンパクトなため、観光の際は重宝すると思います。
京都に行かれる際にお勧めの一冊です。
(なお、お店の情報は2009年当時のものなので、最新の情報はウェブサイト等で確認した方がいいかもしれません。)
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